オフィスの香りについて
心とからだに働きかけるアロマ
みなさんは、「香り」を生活に取り入れてらっしゃいますか? 近年、感じのいいカフェやホテルのロビー、各種サロンやショップで、アロマのほのかな香りが漂っていることはめずらしくありません。特定あるいは全般的に香りが苦手なかた、嫌いなかたもいらっしゃると思いますが、ふんわりとしたよい香りは、心をおだやかにし、空間と自分の関係をよいものにしてくれる気がします。
歴史をひもとくと、古代エジプトでは、香りは神への捧げものとして用いられていたそうです。18世紀には、ヨーロッパで、エッセンシャルオイル(精油・植物から抽出された天然の芳香物質)の医療的な利用がはじまり、自然療法として、芳香療法=アロマテラピーが誕生したのでした。
鼻から吸われた芳香成分は、電気信号に置きかえられて脳に伝わり、その信号は、喜怒哀楽などの感情に深くかかわる大脳辺縁系や、記憶にかかわる海馬、自律神経やホルモン、免疫の働きを調整する視床下部に伝えられます。芳香成分は、肺の粘膜や皮膚から内臓や血管に働きかけ、全身にいきわたります。香りが、わたしたちが心身のバランスをとるのに役立ってくれるんですね。
当オフィスは、アロマテラピーをおこなっているわけではありませんが、芳香成分の効果には注目しています(昔、アロマテラピー検定1級をとりました)。まだまだ感染症も気になる昨今です。少しでも対策になるように、抗ウイルス・抗菌効果・免疫調整作用があるとされるティートリー、ユーカリ、レモンなどの精油を組みあわせ、小さなアロマランプでほんのり香らせて使用しています。レモンには、気持ちがおちつくリラックス効果や、集中力が高まる、冷えやむくみがとれやすくなるといった効能もあります。
※かすかに香る程度ですが、香りそのものが苦手なかたは遠慮なくおっしゃってください。
出典:斎藤智子(2023)香りの作法 翔泳社・佐々木薫 監修(2014) アロマテラピー図鑑 主婦の友社