Overhead view of assorted colorful paints arranged on a blue surface, ideal for creative projects and art themes.

カウンセリングと心理療法、精神分析の違いは?

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何がどれで、これがあれで?

カウンセリング、というと、多くのみなさんは、カウンセラー(多くは臨床心理士、公認心理師)と一対一で面談して、心理的なお困りごとや悩みごとを相談し、カウンセラーから助言をもらったりよい方法を教えてもらったりする・・といったイメージでいらっしゃるのではないかと思います。

一方、「それらしき」ものをさすことばとしては、ネットや書籍には「カウンセリング」「心理療法」「精神分析」「セラピー」などなど、複数の用語がとびかっています。そうしたものを受けたいなーと思っていても、何がどんなことをさすのか、自分にはどれが合っているのか、混乱されることもあるのではないでしょうか。

今回は、「カウンセリング」「心理療法」「精神分析」の3点について、その違いや関係性をお話しさせていただきます。心理療法は、その英訳「サイコセラピーpsychotherapy」から、サイコをとって単に「セラピー」と呼ぶこともありますが、ここでは「心理療法」とまとめさせていただきますね。(また、「セラピー」ということばじたいは、一般的には、アニマルセラピー、アロマセラピーなど、必ずしも心理的なものに限らず多分野で「療法」として用いられています)

わかりやすいように図を作ってみましたので、参照されながらお読みください(無断転載を禁じます)。なお、「心理療法」そのものは、認知行動療法やクライエントセンタードなど、多様なアプローチがあります。当オフィスで提供しますのは精神分析のエッセンスを取り入れた「精神分析的心理療法」ですので、その観点から、下図では精神分析との連続性をもたせています。

まず、カウンセリングと心理療法(セラピー)についてなのですが、実は、その違いはあいまいといえばあいまいなのです・・。なんとなく、面接やその他の技法を用いて心の悩みや適応上の問題の緩和もしくは解決をめざす介入とプロセス、みたいな定義を共有してはいるけれども、多くの場合、どちらもはっきり認識もしくは区別されているわけではありません。

区別をするべきというルールも特にないため、当オフィスを含めて、どちらの用語も使っているセラピストが大半だと思います。日本では、「カウンセリング」という用語が一番浸透していると思われますので、心理療法のことをさしてカウンセリングと呼んでいる場合も多々ございます。

厳密にいえば、介入のターゲットや深さ、頻度等において、少しずつ異なる点はあります。
その点を図にしてみると、こんな感じでしょうか。どのアプローチも、「自己理解の促進」がポイントになります。

アプローチ法特質主な目的一般的な頻度と期間
カウンセリング現実的な課題解決の
サポート
特定の課題解決
自己理解の促進
短期間が主で、数回〜数十回
心理療法専門的な技法を使った
心理的治療
症状の緩和、自己理解の促進
心理的・行動的変容
週1回〜
比較的長期間(数年の場合もあり)
精神分析最も深層にアプローチ
心理療法の一種
無意識の意識化による
自己理解の促進、性格変容
週4〜5回、2年〜(数年)

いずれにしましても、当オフィスでは、あなたにとって最適な、あるいは現状をふまえたうえで最適と思われる方法をご提案し、だいじにカウンセリングや心理療法、精神分析をおこなってまいります。ご参考にしていただけますと幸いです。

A serene autumn scene with hands holding latte and heart-shaped art.

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